黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
「あ…。」
教室に入って数分。
引き続き隣に居座って、べったり…な“王子様”。
そのせいで、かなりの注目を浴びていたわけだけど…
室内がざわめいて。
こっちに向けられていた視線が、一斉にそれた。
その先には…
「……!」
私たちの姿を見つけて、
ツカツカと歩み寄ってくる人物。
“王子様”に負けないくらい、女の子の黄色い声援を集めているのは…
「あ、修ちゃん。おはよう。」
……そう。修司、だ。
王子様は呑気に挨拶なんかしちゃってるけど。
2人が並んだその光景は、かなりの注目の的。
くるみ曰く、
「修ちゃんは、あゆちゃんの次に女の子に人気あるんだよ?」らしいから。
長年一緒にいる私としては、その理由がわからないんだけど…。
「朝練?お疲れ様。」
あくまでにこやかに、平和な笑みを浮かべる王子様に対して、
「歩…お前……」
修司のほうは珍しく、
不機嫌そうにぶすっとしている。
「なんで、俺たちまで一緒にしたんだよ?」