黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
「高校生活3年間は逃げ切れると思ってたのに…」
がっくりと肩を落とす修司。
……?“逃げ切れる”??
「お前にはわかんないよなぁ…。家ではおろか、学校に来てまで世話を焼かなきゃいけないこの苦労…」
力なく呟いてるけど…
修司ってば、一体何を?
「風歩はいいよ。
お前が面倒みるんだろ?」
「うん…?」
「でもさ…アレは…」
修司が言い掛けた、ちょうどそのとき。
「よかったぁ。間に合ったっ。」
教室内に響き渡った声。
再び集まる注目。
走ってきたのか、少しだけ上がった息を整えているのは…
「あ!」
私たちの姿を捉えて、満面の笑みで駆け寄ってきたのは、紛れもなく…
「おはよう。くるみちゃん。」
……またもや、よく見知った人物、だ。
「おはようっ。」
にこーっと笑いながら、私たちのところで落ち着くくるみ。
「みんな一緒でよかったぁ。
新ちゃんがいなくても、なんとか楽しくやって行けそうだよ。」