黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
「……はぁっ?なんで知って…って、同じクラス?」
確率は、3分の1。
選択科目やら、文理分けやら…で、
2年に進級するときにある程度振り分けられたから。
今回は、そんなに大きな変動はない…はず。
だけど、
同じクラスになるとは限らないわけで…
「離れるわけ、ないでしょ?」
「は?」
「俺が事前に先生に言っておいたから。」
「何、を…?」
先生に、って……
「風歩ちゃんは、俺がいないと卒業できませんよ、って。」
「はぁっ?」
「だって、そうでしょ?
遅刻は多いわ、授業はサボるわ…出席率めちゃくちゃ悪いんだもん。」
「……っ。」
「大学に合格しても、卒業させてもらえなきゃ何の意味もないんだよ?」
…確かにそうだけどさぁ。
返す言葉がない私。
「それじゃ困るからね。
風歩ちゃんが無事に卒業できるように、最高のキャスティングにしてもらったから。」
安心していいよ、って、にっこり笑ってるけど…
キャスティングって…
そもそも、なんでアンタにそんな権限があるわけ?
…恐るべし。“王子様”。