黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
「1年間よろしくね?」
言いながら、私の手を握ってぶんぶんと振り回すくるみ。
その手を修司に伸ばしかけた…ものの、
バシッと、振り払われてしまった。
「なにー?」
不満気にぶーっと頬を膨らませるくるみを無視して、
くるっと。
修司は王子を振り返った。
そして…
「俺に、コレの面倒を見ろと?」
怖い顔で詰め寄っている。
「何かと忙しい、高校最後の1年を“世話係”として過ごせ、と?」
「え…修ちゃん?」
「先輩が卒業した今、必然的にそうなるんだよ。
お前、それをわかってて、このクラス編成にしたんだよな?」
うわぁ…
今日の修司はめちゃくちゃ機嫌悪いわ。
くるみってば、また何かしたんでしょ?
ちらっとくるみを見れば、こちらはご機嫌なご様子で。
「あのね、くるみ、
これからは“早朝デート”することにしたの。」
聞いてもいないことをしゃべり出した。
「学校では会えないでしょう?だから、来る前に…」
……これが、“最高の”キャスティングってやつ?
なんか…騒がしくなりそうだ。