黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
―――――………
――――……
「……眠っ。」
ようやく辿り着いた“安息の地”にて。
腰を下ろしたと同時に、
すぐさま降りてきた、私の両瞼。
本気で眠い…
「…まったく。私の貴重な睡眠時間をっ。」
本当だったら、今頃、
一眠りして頭スッキリ!…だったはずなのに。
ますます悪化してるよ。
それもこれも…
「“最高のキャスティング”って、こういうことだったのね?」
アイツのせいだ!
「あれぇ?風歩ちゃんってば、どこ行くの?」
――小1時間程前。
ぞろぞろと、一定方向に流れる人波とは逆流して、
1人、この場所へ向かおうとしていた私。
誰も見てない。
気づいてない。
ましてや、私を止める人間なんていない。
そう思ってたのに…
甘かった。
「あーっ。サボる気でしょう?ダメだよぉ。」
ぶーっと頬を膨らませて、私の腕をぎゅーっと掴んだのは…
「ほら。体育館はこっち。
あゆちゃんも待ってるから早く行こう?」