黒猫*溺愛シンドローム~Plus~



「…くるみ。」



ぐいぐいと、私の手を引いて進んで行くくるみ。

さっきまで熱心にケイタイをいじってたから、絶対に気づかれないと思ってたのに…


「くるみ、あゆちゃんに頼まれたんだ。」


「はっ?」


「風歩ちゃんをちゃんと連れて来て、って。」


「はぁっ?」



声を上げた私を振り返って、にこーっと微笑むと、



「ホント、風歩ちゃんってば愛されてるよねぇ。」



さらっと、言い放った。



「あゆちゃん、式の準備で忙しいのに…まずは、風歩ちゃんの心配だもんね。」



……そう。

アイツは、生徒会の仕事だとか言って、早々と教室を出て行ったんだ。

だから、うるさく言われる心配はないと思って安心してたのに…



「くるみも協力するからね?」


「…はっ?何を?」


「あゆちゃんと修ちゃんと…みんなで頑張ろう?」



…人の話は聞いちゃいない。

勝手に進んで行く話。



「みんなで一緒に卒業しようね!」



……そう来たか。


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