ビター・スイート・ラヴ
「真紀ちゃんも今の編集部にいるのもいいけど、そろそろちゃんとした編集
プロダクションに入って、そこで物を書くことを学んだほうがいいよ。今の
ところが悪いと言ってるんじゃないけど、アルバイトはいつまで経っても雑
用しかやらせてもらえないよ。あの出版社は新卒以外は社員として雇わない
から、もし他で働く気があるのなら僕の知っている会社を紹介するよ」



「実は、私も迷っているんですよ。編集部の人たちは皆いい人で仕事もやり
易いんだけど、先がみえないなぁって。だから、できれば物書きの基本から
教えてもらえれば有難いです。ぜひ、紹介してもらえませんか?」



「OK。じゃあ、近いうちに連絡するよ。僕のほうでも、その件を社長に伝
えてみるから。返事はそれからでいいかな?」



「はい、よろしくお願いします」



 その後、谷川はもう一件撮影があるからと、先に店を出ていった。



 あれ以来、谷川からの連絡はなかった。



 真紀も忙しく仕事をしていたので、あの件はすっかり忘れていた。ようや
く仕事も一段落した頃にタイミングよく谷川から連絡が入った。



 明日か明後日の午後に時間をとってもらいたいとのことだった。
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