ビター・スイート・ラヴ
 谷川に東氏を紹介されてから、ひと月ちかくが過ぎた。真紀は悩んだ末に
東氏の所で世話になることにした。



 編集部を去るときは編集長以下、皆が真紀を引き止めた。真紀はそのこと
に感謝をしたけれど、その反面いろいろな所で自分を試してみたかった。



 東氏の会社では、編集のイロハを徹底して教わった。



 出版業界とはまた違う広告業界の仕事を学ぶことができた。



 二十代前半の真紀は疲れを知らなかった。



 徹夜も厭わず貪欲に仕事を覚える姿がチーフや東氏の目に留まり、
今では責任のある仕事を次々と任されるようになってきた。



 遊ぶ暇もなく、家には寝に帰る毎日だった。



 そんな真紀の生活を傍でみていた両親は真紀の身体を心配した。



 両親に要らぬ心配を掛けたくなかったし通勤もしんどかったので、
真紀は一人暮らしを始めることにした。
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