ビター・スイート・ラヴ
 何処に住むかいろいろ捜した末、会社からひと駅ほど離れた神楽坂に住む
ことにした。都会なのにどこか風情のあるこの街が気に入った。



 不動産屋を何軒も回り、手頃な賃貸のワンルームマンションを見つけるこ
とができた。



 真紀の借りた部屋は飯田橋と市ヶ谷の丁度中間くらいに建っていた。



 かりに会社からタクシーで帰っても、それほど料金もかからない。まあ、
多少は窮屈に感じたけど、真紀の給料ではせいぜいワンルームのマンション
を借りるのが精一杯だ。




 早速、契約をかわし必要な荷物を実家から車で運んだ。足りない物はその
都度、買い足すことにした。愛車のオートバイは駐車場を確保できない為、
やむなく実家に置いてきた。



 一人暮らしは思ったより快適だった。経済的にきついもののマイペースで
生活できて気楽だった。



 仕事を変えてからも谷川とは度々会って、相談にのってもらった。
谷川は神楽坂で暮らす真紀に頻繁に連絡を寄越してきた。



 以前のように遅くまで飲んでも終電を気にすることもない。
< 128 / 206 >

この作品をシェア

pagetop