六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「全くだ……。
ここの使用人にも男がいるんだから、
もう少し面積の広い布を着てろ」
へ?と自分の格好を改めて見ると。
「いぃやあぁ!!」
下着の上に、大きめのTシャツを着ただけになっていた。
慌てて部屋に入り、ふすまを閉める。
ま、またやってしまった……!
見られた、また見られた……。
泣きそうになりながら着替えていると、清良が部屋に入ってふすまを閉めた。
「アンタ、昨夜“暑い~”って言って、
寝ながら下の服脱いでたよ」
「うぅっ、夏なんか嫌いだ!」
「そんなに慌ててたの?」
「そうだよ!誰かさんがいないから!」
キッと清良をにらむと、ぷぷぷと笑われた。
「笑うな清良ぁっ!」
「だって……ハハ、
面積の広い布だって……」
「はぁ?」
「瑛、どこ見て良いかわからなさそうで、目が泳いでた」
「うそ!」
そうだっけ?
いつもと一緒じゃなかった?