六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
琴さんはあたしの反論を無視して、女性達に指示をする。
あたしは彼女等に囲まれ、いきなり廊下を歩かされた。
起きたばかりで覚束ない体を、支えたり引っ張られたりしながら。
琴さんは後ろからそれを見て、ついてきているようだった。
そうして広い屋敷の廊下を行くと……。
やがて、豪華な絵が描かれたふすまが現れた。
「夢見姫をお連れしました」
琴さんが、声をかける。
すると、中からふすまが開いた。
「……!」
その光景に、息を飲む。
どこをどう歩いてきたかわからないが、
今まで自分がいた部屋と、この部屋が同じ建物内にあるとは思えなかった。
目の前にあるのは、見た事もない大広間。
その両端には、忍達がずらりと並んで座っていた。
そして、部屋の最奥には。
豪華な金屏風の前に、男の人が座っていた。