六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
床から体を起こすと、部屋の中は既に薄暗くなっていた。
ここじゃ時間はわからないけど、
もう日が傾きかけているんだろう。
監視役の二人の女性が、あたしが起きたのに気づき、
一人が廊下の奥に消えていった。
「…………」
アキちゃんが背後にいるのを確認する。
もしかして、バレたんだろうか……。
ヒヤヒヤしていると、廊下から足音が聞こえて。
やってきたのは、全く会いたくない人だった。
「お目覚めですか、夢見姫」
敵地のど真ん中で寝てしまったあたしを、
軽蔑を込めて見たのは、琴さんだった。
「……連れてお行き」
それだけ言うと、
琴さんについてきた女の人達が、わらわらとあたしを囲む。
「また、あの大広間?」
琴さんをにらむと、意外な言葉が帰ってきた。
「湯殿です」
「は?お風呂?」
「ええ」