六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「この私から逃れる事はできぬ」
「……離してっ……」
「おぉ、そうだった。
湯あみの準備が整っている。
行ってまいれ」
滋が呪文を唱えると、蜘蛛の巣は消えた。
そして疲れたアキちゃんは、猫の姿に戻る。
「使い魔か……」
滋はアキちゃんに手を伸ばす。
「やめて!」
助けようとしたあたしは突き飛ばされ、
アキちゃんは滋に捕らえられてしまった。
「ほう……お前、元は瑛の一部か。
どうりで、この結界の中で動けたはずだ。
ここでは夢見姫の力は無効だが、一族の力は有効だからな」
「返して!」
立ち上がって手を伸ばすけど、
背の高い滋に持ち上げられたアキちゃんには、全然届かない。
「仕置きをせねばならんな……」
「やめて!
その子にひどい事しないで!」
「はっ、誰がこの使い魔に仕置きをすると言った?
罰を受けるのは、瑛に決まっているだろう」