六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


その冷たい笑い声に、背筋が凍るのを感じた。


「お前にこれを与えておいて、回収するのを忘れたのか?

それとも、昨日与えられたのか?」


「……っ」


どっちにしても、瑛さんが罰されてしまう。


答えられないでいると、アキちゃんが唸った。


《私の意思で術者を離れ、主の元へ赴いたのだ!

何が悪い!》


「ほぅ、話せるまでに成長しているのか。

……捨て置けぬな」


滋の手が光ったと思うと、急にアキちゃんが苦しみだした。


「やめて!離して!」


「できぬな」


バリバリと霊力がスパークする音がする。


小さな雷のような光の中で、アキちゃんは悲鳴をあげた。


「アキちゃん!!」


あたしは滋の手にしがみついて、歯を立てる。


爪が彼の皮膚を削るけど、全く効果はないようだった。


「消えろ!!」


「やっ、いやああああっ!!」


< 529 / 691 >

この作品をシェア

pagetop