六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「叔父上、琴……。
俺は、【忍】としては一流だったかもしれない。
だけど、人間としては、完全に出来損ないだ。
人を傷つけることしかできない。
信じたくても、大事にしたくても、方法がわからなかった……」
「瑛さん……」
「誰も彼もが、俺を強くさせるために、追い詰めた事はわかってる。
だからこれは……
変わってしまった俺のわがままだ。
許してくれなんて言わない。
……俺は、お前達と戦ってでも、
まりあを音羽家に帰す!!」
言い終わるが早いか、瑛さんの手から苦無が放たれる!
「馬鹿者が!!」
滋は自らの前に蜘蛛の巣を張る。
巣は空中でピタリと壁を作り、バリアのように苦無を弾いた。
「族長!」
まさか、瑛さんが滋を攻撃すると思わなかったのだろう。
忍達の読経が、また乱れはじめた。
「結界を守るのです!
夢見姫に力を使わせてはなりません!」