六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
あたしは、考さんに向き直った。
「ごめんなさい……!!」
考さんは、静かに目を閉じる。
あたしは、短刀の柄を握り……。
彼女の頭に、振り下ろした。
「ちっ!!」
阻止が間に合わなかった滋の舌打ちが聞こえて──。
考さんは、その場に崩れ落ちた。
「おのれ、夢見姫!!
よくも母上を──!!」
琴さんが壊れそうな悲鳴を投げつけてきた。
「ちょ、待って!殺してない!
こっちで、殴っただけ!」
「はっ?」
あたしが短刀の柄の先を指差すと、琴さんの目が真ん丸くなった。
「何でもいい……!」
瑛さんが、立ち上がろうとする。
あたしはいそいで彼に駆け寄った。
頭上では、砦全体を覆っていた結界に、
バリバリとヒビが入る音がしていた。