六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
忍たちも、天井を見上げる。
ガラスにヒビが入ったように、透明の空間に白い線が見えたような気がした。
そして。
パキィィン、と音がして。
透明の欠片が、あたし達に降り注いだ。
結界が、やぶれた……!
「よし、よくやった……」
あたしの肩につかまって、片足で立ち上がった瑛さんが。
くしゃくしゃと、あたしの頭をなでた。
苦痛と汗で、汚れた顔で。
あたしは涙がにじむ目で、彼を見上げて最後の勇気を振り絞る。
「瑛さん、逃げよう!
お母さんも連れて!」
もう何回目かのその頼みを聞いて。
瑛さんは、困ったように笑った。
「……本当にしつこいな。
しょうがない、そうするか……」
苦しそうなクセのある声が。
本当に久しぶりに、あたしを受け入れた。