六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「……わかってるよ」
あたしは反論をはじめる。
「このままだったら、この星は滅びていく。
人間が、滅ぼしていく。
環境を破壊して、様々な生き物が死んでいく。
時には、人同士が殺しあう……。
救いようがないよね。
でも。
生きてるんだよ。
今は死にたい人も、明日は生きたくなるかもしれない。
誰かを憎んだり、愛したりして……」
瑛さんが、ぴくりと肩を震わせた。
何とか、悲鳴を噛み殺しているように見えた。
「人が助かれば、他の生物や草木が死んでも構わぬか」
「そんな事言ってない!
でも、他人を殺していいって考えは違う。
絶対、間違ってる」
「何故だ」
「……誰かが死んでしまったら、
誰かが絶対、悲しむから!」
ぴくり。
また、瑛さんの肩が震えた。