孤島 臨終朗の誤算
顔を顰めるのも束の間。

咄嗟に回避したみつきのいた位置に、襲い掛かる俺の横薙ぎ。

みつきの代わりに死門を受けた鉄骨が、火花を散らした。

逃げたみつきを目で追うと、素早い動きで工事現場の足場を駆け登っている。

「愚かな…」

死門片手に後を追う。

上に行けば行くほど、足場は悪く、また逃げ場もなくす。

そのような事、戦場では当然の知識だろうに。

「一端なのは口と愛刀だけか?」

剣を時折交錯させながら、俺はみつきを上へ上へと追い詰めていく。

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