遊びじゃない

途端に重く感じてしまったそれをブラブラ揺らしながら、部屋番号を押して呼び出しボタンをえいっと押す。

「はい」

程なくして聞こえた機械越しの麻生さんの声でも、ドキドキと鼓動が早さを増していく。

「柏木です」

少し上擦った声を誤魔化すようにコホンと咳払いをすると、笑いをかみ殺したような「どうぞ」と言う声とともに扉が開かれる。

ゆっくりと足音を消すように歩いて辿り着いた重みのある扉の前。


ひとつ息を吐き出してからインターホンを押すと、待たされることもなくドアが開かれる。

「待ってたよ、入って。」

ネクタイは外していたけどまだワイシャツ姿の麻生さんは、とても当たり前のように私の肩を引き寄せるように部屋の中に呼び寄せる。


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