遊びじゃない

「ゆうってあんなにお酒弱かったっけ?」

「や、昨日は焦って一気してたから…。」

「そんなに私恐かった?」

「うん……あ、いや、そんなことないんだけど…。」

視線はまな板と包丁だけど、立ち上がってまで慌てて否定するゆうにやっぱり笑いが込みあげる。

「そういえばさ、ゆうって前髪切ってコンタクトにしちゃったほうがいいんじゃない?」

「え?前髪?」

急な話の展開について来れない男は、寝起きで爆発しているといってもいいようなぼわぼわの前髪を慌てて撫でていて。

「そ。昨日前髪上げてみたら見れないことなかったよ?眼鏡も外したほうがちゃんと顔がみれていいんじゃないの?」

「えぇっ?見たの?僕の顔?眼鏡外して、前髪も上げちゃったの?」

予想外にうろたえる姿にちょっと吃驚して、やっぱり勝手に外しちゃまずかったのかなと思って素直に謝る。
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