遊びじゃない
「ごめん。勝手に外してみたりして。」
「いやっ、そんな謝ってもらうほどのことじゃないんだけど…恥ずかしいだけで。」
最後のセリフに顔を上げると、顔をほんのり赤くさせて俯くゆうの姿があって……いやいや、恥ずかしいって、ねぇ…ただの草食系おじさんなのに。
「僕、姉貴が2人いるんだけど、小さいときから色が白くて女みたいとかからかわれて、それでちょっとトラウマというか…。」
小さいときの話でしょ?今はどっから見ても立派なおじさんだと思うけど。
いつまでも恥ずかしそうなゆうに返す言葉も見つからず、朝食作りに意識を移す。
テーブルの上に最後に大根とわかめの味噌汁を並べて、ゆうの斜め向かいに座ると、少し浮腫みも取れてきたかのように見えるおじさんは、えらく感動しているようで。
「僕、こんなちゃんとした朝ごはん久しぶり…。」
「ちゃんとしたって…。」
別にご飯とお味噌汁とほうれん草のおひたしにひじきの煮物。魚も卵もなかったから、作り置きしてあったひじきを温めただけ。
実質、今作ったのはお味噌汁だけだし。それも出汁なんてもちろん取らずに天下のほんだしですし。