遊びじゃない
「私の可愛い天使がやっと出てきてくれたわよ。」
「え?あ、や、うそっ?ほんと?出てきた?え、え、女の子だったよね―」
「ふふ、落ち着いてよ。」
もういつ生まれてもおかしくなかったのに、美織からの電話に爪の先ほども予想してなかった出産の事態にプチパニックの私。
「う、うん。落ち着いていられないけど…美織、おめでとう。」
「ありがと。」
いつもより小声で短い言葉の中にも、美織がとても幸せなんだってことが電波に乗って感じられる。
きっと、今美織は笑っていて、多分隣には旦那様もいて…天使と呼ばれた二人の可愛いベビーが誕生したことに、不意に視界が揺れて鼻の奥がツンっと痛む。
「赤ちゃんは?」
「うん。ぎりぎり2500gは超えたけど、やっぱり少し小さめみたい。でも元気よ?さっきまでおっぱい吸ってたし。」
「えっ、もう?」
「全然出ないけどね。でも吸われる刺激がいいみたいで、ほんの少しの時間だけ。」