遊びじゃない
穏やかに話す美織は、もう立派なお母さんのように優しい声色で、それでいて何かを達成したような満たされたような空気感を醸し出していて。
それは電話越しでも十分すぎるくらい伝わってきて、我慢していた涙が頬を伝う。
「ほ、んとっ、おめでとう。早く私も会いたいよ。」
「私も。麻央に、早く会ってほしい。」
あ、もうダメだ。そんな幸せが溢れた声で、そんな嬉しいこと言われちゃったら…。
「うぅ…み゛おりぃ……」
話しながら歩いていたはずの足も勝手に進むことを放棄していて。道のど真ん中で、会社帰りのOLや、おじさんがチラチラ見ながら過ぎていくのもお構いないに鼻水が垂れる勢いで号泣してしまった。