遊びじゃない

「美織もお母さんかぁ…。」

勝手にニヤニヤと口元が緩んでしまうほど、いつもの美織からは程遠いイメージで、どんなママになるのか予想がつかない。

涙でぐちゃぐちゃになったアイメイクと、とめどなく流れる鼻水を街頭で配られたティッシュで拭ったことでカサカサになった鼻の下を救済すべく、電話を切って向かった先はバスルームで。

狭いバスタブに身を埋めながら、私が贈るベビードレスを纏った天使を抱っこする美織を想像したりして。


やっぱり、いいんだな…結婚って。

あの後、約束のベビードレスを渡すために旦那様に電話を代わって日時を相談したんだけど、お産から二時間は経っていたというのに、旦那様も私に負けず劣らずの鼻タレ具合で。

幸せそうに話す美織を見てまた感動してしまったというオラオラソフトマッチョ系だったはずの旦那様も、声を震わせて天使ちゃんの可愛さを私に力説するあたり、もう立派な親バカパパで。
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