遊びじゃない

またまた逆上せ寸前で何とかバスタブから立ち上がり、バスローブを羽織った時には、もう涙も枯渇したようで、私の口の中もからからだったけれど。

冷蔵庫に飲み物を取りにいく前に、テーブルの上に放り出したままの携帯電話の振動に気が付く。

携帯に手を伸ばしながら目の前の壁にかかる時計に目をやると、針はすでに8時を指していて。

1時間以上もお風呂で何やってんだか…と溜息が出る。

「はい。」

またディスプレイも見ずに通話を開始すると、途端にザワザワと大音量が耳に入って、その後にはなんとも呑気なゆうの声。

「あ~、まおちゃん、やっと出た~。」

瞬時にヘラヘラ笑いが浮かびそうなご機嫌なノリは、泣きつかれて目を腫らした私には到底ついていけるものではない。
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