遊びじゃない
やっと起き上がって眼鏡をかけるゆうは、その奥をシパシパと瞬かせる。

「え?えっと…触ったのは髪と、背中かな。無意識だったからちょっとよくは覚えてないんだけど…あ!でも、ちゃんと唇にはキスしてないよ?」

それが、何か?

褒めてくれと言わんばかりにドヤ顔の男に、も一度蹴りをお見舞いして。

「一体なんなのよ!私は恋愛対象外のはずでしょ?瀬川女史や上野さんへの背徳行為じゃない?」

「だって……眼鏡のまおちゃん、とっても美味しそうだったんだもん。」

はぁ?…だって美味しそうだったもん、じゃねーよ。

おじさん、新人の女子みたいな喋り方しても何も可愛くないし、許せないから。

「勝手に発情するな。」

じとーっと横目で睨むと、機嫌を伺う忠犬のように傍に寄って来る。

「でも、まおちゃんすごく気持ち良さそうだったから。我慢できなくて…ごめん。」
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