遊びじゃない
それから一週間。
ふうっと一息ついて、手の中の鍵を見遣る。
どうやら放任主義の瀬川さんは、気の済むまで悩めと言わんばかりに私を構うでもなく鍵を私に託してさっさと帰ってしまう。
いや、別にそれに文句があるわけじゃ御座いません。プライベートなことで業務にまで支障をきたすなんて社会人にあるまじき…ですから。
30歳になってもなにも変わらないと言われたって、やっぱりどうにもモヤモヤはするもので。
どうにもこうにもスッキリしない。
「家に帰ってビールでも飲もっと。」
勢いを付けてデスクから抜け出したところで、遠慮がちにドアが開けられる。