遊びじゃない

って、私がそんなこと望んでるみたいじゃない………ないない、ないよ、だってタイプじゃないし、ドキドキとかしてないし……。

「…もう、いいわよ、別に!」

捨てられた子犬みたいな解りやすくしょんぼりした背中に向かって、口をつくのはやっぱり可愛くないセリフだけど。

「まおちゃん!」

歳がいもなく目をキラキラさせて近寄ってくる男を見ていたら、それでもこいつには関係ないのかと少しホッとしてしまう。

「あんたのオゴリ、送りつき。キスなし、抱きつきなしで。」

耳に入ってるのかどうだか、目の前でロックバンドのライブさながらに首を勢い良くぶんぶんと振っているゆう。

認めたくないけど、そっぽ向いて帰り支度をする私の口元もわずかに緩んでいて、ゆうの姿にかなり気分が良くなってることも事実で。

じぃっと私を見つめてる男を肘でぐいっと扉の外に追いやって、預かっていた鍵を手早く鍵穴に差し込みながら、明日からは受け取らないでおこうと思ったりして。

瀬川さんになんって言い訳しようか考えて、そんなこと聞かれもしないかと思いなおした。
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