遊びじゃない

え、最後に麻生さんとシたのって……いつだった……。

フラッシュバックしたように突然思い出すソファの感触と上から圧し掛かる麻生さんの重み。

あれは、ホワイトデーのお返しを渡すっていわれて…部屋に行って…。

ってことは3月の中旬以降なわけで、それが不順な私の危険日にピッタリなのかはわからないけれど、大きく外れてもいないことはわかっていて。


妊娠。

自然に、震える両手はまだぺったんこのお腹にそえられて、頭に浮かぶ文字。

この歳になって初めて経験するわけもわからない恐怖に自然に足が震えてくる。

「そんな…だって、麻生さんはもう転勤しちゃったし……」

ううん、それ以前に婚約者がいて私のことなんてただの遊びだった人…そんな人、何の頼りにもならないし今さら連絡なんてしたところで……。


どうしよう、どうしよう、どうしたらいい…。

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