遊びじゃない

「手、重い」

両手の隙間から、目を閉じたままいまだに首の運動を続けている男にじっと視線を送る。

「え?あれ?まおちゃん泣いてたんじゃないの?もう大丈夫?あ、そうだ、何か飲む?えっと、何があったかな…」

一瞬目を細めて顔を近づけたかと思うと、慌しく立ち上がってキッチンのほうへ向かう。

「いい、何もいらない。それより、替えの眼鏡は?それがないとダメなんでしょ?」

遠近感がつかめないのか、両手を伸ばしたまま進む姿に思わず吹き出す。

「まおちゃ~ん…。今度は笑ってるの?」

やっぱり眼鏡なしじゃ何も見えないのか、またまた顔を近づける。

「ちょっと!もう、ほんと、近すぎるから」

「だって、全然見えない……し、やっぱりちょっと気持ち悪くなってき
た」

「は?」

また私と同じ目線にしゃがみ込み、眉根を寄せて口元を押さえてる。
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