遊びじゃない
何故かホッとしたようにへらっと微笑むゆうの代わりに今度は私が瞬きを繰り返している。
「よかった…」
床を見つめながらしみじみといった感じで呟かれる言葉に何がよかったのかさっぱりわからない。
「何よ、よかったって……」
やっぱりこんなこと頼ったってどうにもならないじゃない。
「あんたは私がシングルマザーにでもなって、子供を育て上げればいいって思ってるわけ?そりゃあ私が妊娠しようが子供産もうがゆうには関係なくて、こうやって泣いたり悩んだりしてることだってゆうが気にすることでも何でもないけどっ…」
「どうしてそんなこと言うかな」
温かい手が両頬をそっと包んで、今にも零れそうな涙を指ですくい取る。
「僕は、まおちゃんがこうやって泣いてると想うだけで、心臓わしづかみされたみたいに苦しいんだよ?」
情けなく下がった眉尻とゆるく弧を描く唇。
あまりの直球さと頬に触れたままの両手に、身体じゅうの温度が一気に上昇した感覚。