遊びじゃない
「その他には症状ありますか?身体がだるいとか、熱っぽいとか」
「はい。だるいし、熱っぽい感じもします。胸も張ってる気が…」
言いながら、妊娠初期のつわりに苦しむ美織の症状を思い出して、自分のなかで確信めいたものが生まれる。
「あの…いまどれくらいなんですか?」
「何がですか?」
質問の意図がわからないとでも言うように首をわずかに傾げた女医さんと再び視線が合う。
「…だから、あの、赤ちゃん…」
「え?」
口をわずかに開いたままの女医さんは静止したまま少しだけ視線を動かせて、合点がいったようにあぁと声に出さずに数回うなずく。
しずかな診察室で膝の上の両手に力が入ると、なぜだか大学の合格発表の緊張を思い出した。