遊びじゃない

「あ、今シーツ替えたから遠慮しないで休んで」

着替え終わってリビングに向かうと、私の姿を認めて満足そうに目を細めて寝室のドアを開けてる。

「あ…ごめん、なんか、服まで借りて」

「いいの、いいの」

ヘラヘラ笑って私を寝室に押しやると、ドアを閉めながら「おやすみ」と優しい声。

残されて、なんとなく自分の姿をもう一度見てみると、少しだけ大きいスウェットに包まれて、眼鏡姿。

あれ、これってあいつの好きな眼鏡女子じゃん。

…なのになんで手も出されないの、私。あいつって私のこと好きなんじゃないの?欲情するんじゃないの?

っていうか、そんなことより。

あぁ、腰痛い。遅れたせいなのかホルモン剤の影響なのか、いつもより格段にひどい生理痛。

皺ひとつなく整えられたベッドシーツに引き寄せられるように横たわる。

美織とランチしてたとこからあいつの匂いのスウェットを身に付けて、あいつのベッドに横になってるとこなんて想像もできなかったわ。

それでも、痛み止めか、もしくは意外と寝心地の良いベッドのおかげか、眼鏡を外したことでぼやける視界が徐々に狭まって、私はあっさりと眠ってしまった。

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