遊びじゃない

「嫌なことはしないよ?」

チュッと控えめに頬に触れる唇。

「すごく優しくするよ?」

今度は反対の頬に触れるだけの唇。

「あのさ、ゆう?」

「僕が最初にイクなんて、絶対にしないし?」

私の瞳を熱っぽく見つめたまま、親指が私の唇をなぞる。

そうなんだ。先にイクとか絶対にないんだ?……ってか、経験あるわけ?

いや、そりゃ30歳にもなりそうな男が童貞とか気持ち悪いの極みだけど。でもそんなに自信があるくらい慣れてるってどうなの?

「って、そうじゃなくてさ」

もう私の唇しか見てなくて、今にも重なりそうなゆうのおでこをぐっと押さえつける。

すでにキスするために傾きかけていた顔のまま、戸惑ったように開かれた瞳。
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