遊びじゃない
「…結構赤いし。」
化粧室の鏡の前でため息混じりに呟く。天然チークにしては赤すぎる頬を、少しでも隠したくておしろいをはたくけれど、やっぱり無駄な抵抗のようで。
唇まで物欲しそうに赤く濡れていて、なんだか恥ずかしくてグロスも付けずに化粧室を出る。
ちょっと調子に乗りすぎてるかも…。
そんな不安もよぎるけれど、丁寧に女の子扱いをしてくれる麻生さんのお陰で、いつもより7割増しくらい女度が上がったようで、歩き方から話し方までいつもと違う自分に自分で吃驚する。
やっぱり女はきちんと女扱いされてこそナンボよね。だからかもしれないけれど、麻生さんといると何だか気持ちがいい。フワフワと心も思考も浮かれ気分にさせてくれる。
一緒にいて会話をするだけで、自分が女なんだと感じさせてくれて、仕事中は封印していた女が目覚めるみたいで。