遊びじゃない
席に戻ると、友達のシェフと笑いながら話す麻生さんは、私がいない間にお会計もモチロン済ませてくれていたようで、私の姿を認めると「歩ける?」なんて言いながら冷えたお水を渡してくれる。
「なんか、すみません。」
片肘をついた上に男らしい顔を乗せて、水を飲む私を見ている麻生さんの目に、少しだけ妖しい陰りを見つけて、この後の展開が気になってしょうがない。
「…そろそろ、出ようか。少し酔いを醒ましたほうがいいよ。」
優しくそう言われ、頷いて席を立つ。
その瞬間、よろけたわけでもないのにすっと伸びてきた麻生さんの腕に腰を支えられて、心臓が壊れた機械のように暴れだす。