遊びじゃない

「あ、大丈夫です。」

微笑む麻生さんの顔を見ながら、やんわりとその体を押し返すけれど、しっくり馴染んだようにまわされた腕は離れるどころかぴったりと寄り
添うように引きつけられる。

「麻央ちゃん、可愛いから思わず、ね。」

耳元で囁かれれば、もうすっかり抵抗する気持ちなんか消え失せてしまう。

さり気なく私の鞄もすでに麻生さんの手に握られていて、そのまま寄り添う恋人同士のように店を出ると、そこは来た時はさほど目に入らなかった海沿いの夜景がキラキラと綺麗に輝いていて、2人の間に纏わりつく甘い空気にしっくりくる。

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