遊びじゃない
冷たく澄んだ夜の空気は、頬の火照りをゆっくりと冷ましてくれるけど、今やぴったりと密着したお互いの体から流れ出る温かさが、体の奥からじんじんと温かくさせる。
ゆっくりと歩幅を合わせて歩いてくれる麻生さんは、やっぱりどこまでも女慣れしているみたいで、私が寄りかかりやすいように自然と引き寄せ
て、自分の肩にもたれやすい様にしてくれる。
「ごめんね。飲ませすぎたかな。」
そう言って腰にまわしていた手を私の後頭部に移動させて、引き寄せながら頭のてっぺんにチュッと唇が触れるのがわかる。
初めて2人っきりで食事した男が、すぐさまそんな真似しようものなら気持ち悪くてご遠慮したいところだけど。
それを心地良いと思う時点で、私の精神はすでに崩壊しているのかもしれない。