涙が途絶える日まで
別れの現実
いつの間にか季節は冬。
お祭り以来、デートっていうデートはしてない。
部活とかでお互いに忙しくて…
でも週に2回は必ず会っていた。
最近はなんだか來弥の態度が冷たくなってきた気がしてた。
会うたびにむすっとしてて
あんまり嬉しそうじゃない感じ。
そのためか分からないけど
これといって進展もなく、ただ会って話して帰る。
いつもこれの繰り返しだった。
私はそれでもじゅうぶん楽しかったけど…。
「留美っ?」
『あ、梓。』
「どしたの?ぼーっとしちゃって。」
『いや、考えごとしてたの。』
「なんかあったら言えよ?頼りないかもしれないけど。」
『そんなことないよ!梓優女~』
「あははっ!じゃっ今日放課後デートで決まりね!」
『もちろんっ♪』
私と梓、それに絵玲奈と絢奈は
クラスの中での要注意人物って感じになってた。
あの、クラスに1組か2組はいる
すごい目立つグループ。
絢奈と絵玲奈は一年なのに
紺ソだったり茶髪だったり…
存在だけで目立つ。
特に梓は声が大きく、
しかもよく先生に注意されて
「は?うっせーよ」
とか言い返すような子。
それとそのグループの一員の私。
だから周りのまじめな子達からは多分嫌われてる。
でもそんなこと気にしない。
別に誰かに迷惑かけてるわけでもないし
授業妨害してるわけじゃないから…。
「留美っ」
『あ、絢奈。』
「クリスマスまであと1ヶ月しかないよ!」
『1ヶ月もあるんだよ~。』
「どうするの?やっぱデート?」
『あははっ』
私はこのとき、クリスマスがちゃんとくるのか
なんとなく不安になった。
だから
『うんっ!』
って言い切ることができなかった。
嫌な予感がする…。
そんな話しをしてたら
6時限目が始まった。
でも授業なんて耳に入らなくて
私は來弥のことで頭がいっぱいだった。
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
「気をつけー。礼っ!
ありがとうございましたー」
『げっ!ノート全く写してない!』
「留美、行こっか?」
『あっ梓っ!いこいこーっ★』