アナタの“魂-KOKORO-”いただきます


『なに笑ってんだよ。気持ち悪い。』


レノはそう言って千明の顔を見た。



『気持ち悪いは酷くない?』



千明はレノを見つめ返した。


『ニヤニヤするやつは誰だって気持ち悪いんだよ。』




レノは何てことなくそう言った。



レノの体や髪は雨でびしょ濡れになっていた。





『ねぇ、レノ。死神は風邪ひかないの?』



千明は心配そうに見上げる。




『ひかねぇよ。雨くらい、どうってことな……はっくしゅんっ!』




『ちょっと~、言ったそばから、くしゃみなんかしないでよ~』



千明がレノの肩に触れると、バサッとレノの熱い体が倒れた。





『え……?レノ?レノっ!!!!』




レノは何も応えなかった。


< 85 / 93 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop