しろくろ
「ちょっと!!煉邪!!
あんたこんな時間に楓ちゃんと二人で何してんのよ!!?」
ビクッ!!
二人の後方から聞こえてきた声に煉邪の顔はまた真っ青になり、固まっている
逆に楓は顔を真っ赤に染める
「な、ななななにもしてませんよ!紅葉さん!!」
「……本当に―??」
紅葉と呼ばれた人物は怪訝そうな顔で煉邪を睨み付ける
彼女は黒式当主とその正妻の長子。
つまり、煉邪の姉である。
ギロリ
煉邪の顔は更に青くなり、加えて汗がだらだらとたれている
「あんたね!いくら楓ちゃんがあんた付きの侍女だからって夜九時以降は外に連れ出すなって言ったでしょ!!?
可愛い、可愛い楓ちゃんに何かあったらどうすんのよ!!
っていうか今あんたが何かしようとしてたでしょ!!?
何しようとしたのよ!このスケベ!チビ!変態!!」
「誰がチビだ!?変態だ!?
いい加減にしろ、この糞姉!!」
「……聞こえなかったなぁあ!?今何て言った??」
グイッと紅葉が煉邪の胸ぐらを掴んでガクガクと高速でゆすり、煉邪の顔は真っ青になり、回りにドクロがとんでいる。
それを見てあわてて楓が止めに入る。
「お、落ち着いて下さい紅葉さん!!
私が悪いんです。最初にここに居たのは私です。」
「あら、そうなの??」
それを聞くとあっさり紅葉は手を離した。
「ブハァ―!!
……死ぬかと思った。」