あのこになりたい
ドアを開けたのは、


「綾…」



綾は水色の浴衣を着ている。



「あれぇ、咲は浴衣着てないんだ。着てるかと思って一緒に写真撮りに来たのに」


私達は毎年浴衣を着て一緒に花火を見に行っていた。


だからって…


なんで私が着てると思い込むかな。



自分が幸せだからってみんなが幸せだとか勘違いしてるんじゃないの…?



「咲に報告があるんだ。実はね…」


綾は私の耳元で、


「幸輔とHしちゃった」


とささやいた。



嫌がらせ…?


私の中で大きな衝撃が走った。


もうダメだ…



私は心の中のドロドロしたものが込み上げて来るのをもう押さえ切れなくなった。



「やっぱり痛かったけど…幸輔がすごく優しくて。だから怖くはなかったよ」


綾は幸せそうな顔して話し始めた。



「でも、かなり緊張してたから色々大変で…」


綾は一人思い出し笑いした。



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