君と奏でる恋の詩。
「あ! 颯太来たよー。おはよー!」
「え?」
私が美由ちゃんの笑顔に魅了されていると、
美由ちゃんが私の後ろの方を見て手を挙げた。
つられるようにして私も後ろを向く。
「おお、はよ」
そこには、鞄を片手に立っている南くんがいた。
私が何も言えずに南くんを見ていると、不意に南くんの視線が私に向けられた。
――ドキン……
『…っ、』
視線がばちっと絡み合う。
お互い何も言わずに目を逸らした。