cafe au lait
「わかりました。社長に伝えておきます。配送料上乗せの修理ということでよろしいですか?」
四角く黒い何の装飾もない皮の鞄から、会社から支給されているメモ帳とボールペンを取り出した。それから眼鏡をかけて……ウッドチェアの修理「cafe au lait」より依頼、と書いた。
母から就職祝いでもらった腕時計で日時を確認、記入。
我ながら無駄のない的確なメモだ。よし完璧。
「助かります。あれは祖父の代からあるウッドチェアで、俺も気に入っているんです」
ああ、料金上乗せ了承済み、と書き加えておこう。
祖父の代から……ということは、彼はこのお店のオーナーの息子さんということか。 暇なこの時間の喫茶店は息子に任せるという案は、非常に効率的だ。