cafe au lait
「はぁ、やっぱり、この街が産んだ天才バリスタの味は格別」
「癒される、っていうか救われるよね?」
「そうそう、生きててよかったって」
「大袈裟なっ!」
アハハと笑いながら、笑顔で店を出ていく女の子たち。
可愛いワンピースの裾を揺らして、装飾のたくさんついた鞄をぶら下げている。
「胤さん、なんで彼女つくらないんだろ? あんなにカッコいいのに!!」
「案外もういるのかも! カワイイ彼女が」
ちょっと待て待てっ、東條 胤!
カウンターで忙しく立ち振る舞う彼は、片時も柔らかな笑みを崩さない。
窓から覗いていると、バッチリ彼と視線が合う。
しまった!
今の私は怪しい女だ!
真っ黒い四角い鞄を抱えて、飾り気のないワンピースを着て覗き見をしていた怪しい女だ!