墓場が似合う女神へ手を伸ばす


「――、豪華なお墓ですよね、これ」


その先にあるのは彼女が弔っていたお墓。


クロスの真横にあるそれは確かに、他の墓と比べて豪華な造りだった。


台座に十字架。十字架には日の光をイメージしたような丸い輪があてがわれて、台座に至っては金の板が埋め込まれているきらびやかさ。


金に刻まれた名前は二つ。


『イジュタイト・トルンハルト・フォン・ラステンダルク』


『ケイリッチ・フォン・ラステンダルク』


誰の墓とはクロスとて知っていた。


「二人とも、こんな豪華なもの作るのだったら、民のために使いなさいと言いそうなものなのですがねぇ」


そうして、前王とその妃の人柄が“その娘と瓜二つ”だということもそれとなくは聞いていた。


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