墓場が似合う女神へ手を伸ばす


厳密には、“今の姫君は立派に跡を継いでおられる”と街の者が話していたのだが。


「どうして……」


亡くなったのかは、誰一人として口に出さなかった。禁句であるかのように、その事実を葬り去りたいがごとく。


亡くなったあとに血族たる姫が王位を継承したのは、ごく自然な流れと言えようにも、それはいったい“いつからの話なのか”。


墓標には、前王がいつこの世を去られたのかが刻まれていない。その亡くなられた日自体を揉み消したいがように。


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