墓場が似合う女神へ手を伸ばす


柔和な笑顔で姫が誰を思い出したのかは、聞かなくても分かった。


「あいつが……いたんですか」


「はい。もともとロードは、この国の宰相だったお人のご子息でして、次代にはロードもその地位を得るために城で一緒に暮らしていたのですよ。


――ああ、クロスには話していませんでしたが、ここにはお城があったんですよ」


「城……」


「ええ。豪華すぎることはないですが、威厳ある王族たちの建物が。今では考えられませんが、前王の血族と国の政に関わる方々や、果てはお手伝いさんまでいた、ずいぶんと大所帯なお城でした」


冗談めいたことを踏まえてみせるが、その名を撫でる指先に力が籠っているように見えた。


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