墓場が似合う女神へ手を伸ばす
「そのお城も前王と共に無くなりました。そうして、そこに住んでいた方々も。残ったのは、私とロードだけで――ああ」
“生かされてしまったのでしょうね”、と彼女はクロスには聞こえぬ声で呟いてみせた。
その日に何があったのか、聞くには憚れた。
その時のことに触れた姫が、あまりにも悲しそうな顔をしていたから。
「話を戻しますが、私は一人ではありませんでした。私が国を治める地位となった時、彼は17。若いと言えばそうですが、もう既に彼は宰相としての跡を継げるほど、文句の言い様ない立派な方でした。私などまだまだで、あの頃はよく彼に助けられましたねぇ。
互いに両親が立派な地位に立つのだから、次代に恥じないようにと色々教えられましたが……私はまだ“その時には代われる人がいたから”厳しいものではありませんでしたが、ロードは特に約束された地位に泥を塗らないように徹底されていたみたいです」